2. イベント実施概要 登壇者の発言内容(島岡先生、東急後藤さん、SONY鈴木さん)
(1) 島岡氏、服部氏ご講演「アントレ教育の重要性、ビジネスアイデアの創出の考え方、アントレ教育に関する活動をしている学生団体の紹介」
起業家教育については、世界銀行のレポート「企業家精神教育訓練(EET)」を参考に、プログラムを検討する際に活用しているフレームワークの4つの構成要素(プログラムの特徴、成果(アウトプット)、参加者、コンテクスト)の詳細について解説をいただきました。
また、アントレプレナーシップ教育のメソッドの紹介において、最近はエフェクチュエーション(手段主導型)モデルが注目されているとのことで、エフェクチュエーションの5つの原則についても触れながら、教育ステップや目的に合わせて必要なメソドロジーを習得することが有効との助言をいただきました。
また、アントレ教育に関する活動をしている学生団体Beyond 2020 NEXT PROJECTの代表 服部 真也斗氏(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科)にもご登壇いただき、活動内容についてお話しいただきました。
(2) 後藤氏ご講演「アフターコロナのいま取り組むべき、東急の「渋谷再開発」での差別化戦略とは?」
同社では現在、渋谷駅を中心とした半径2.5km圏内の再開発にも注力しており、将来的にはビルが立ち並び成長し、人々が訪れやすい豊かな街を目指して開発を進めている。この開発のきっかけは鉄道施設の改良で、2000年頃の東京メトロの副都心線と東横線の相互運転により地上駅の地下化が決定したことであるとのこと。地上駅が不要になることにより、渋谷駅の南側に大規模な未利用地が発生してしまう状況や、国や都からの特区指定、都市再生緊急整備地域に渋谷区周辺が指定されたことも再開発推進の後押しとなった背景があるとのこと。
渋谷の街といえば人混みや坂の多い土地柄など、土地自体が抱えている課題が多いエリアでもあるため、現在もそれらを克服すべく再開発プロジェクトに取り組んでいる。同時に、交通インフラで東西南北が分断されている基盤の再整備もミッションとして認識されているとのこと。ただし、それらの課題克服だけではなく近年は、街に商業やオフィス、住宅などの機能を取り入れた複合施設の開発を継続的に続けているとのことも伺いました。
(3) 鈴木氏ご講演「企業における新規事業開発のジレンマと二兎を追う戦略の重要性について」
鈴木氏自身、理系バックグラウンドからバイオの経験を経て、ゴールドマンサックスで金融に関与しその後もグローバルでの企業再生に携わるなど、長年のマーケット経験からの学びやメンタリティをご紹介頂いたうえで、学生の皆様に対し、日本の失われた30年をどう取り戻すかなど問題提起頂いた。GS時代に常に意識されたという「Think ahead」、先を読みながら、変化に対応することの重要性を語って頂くなど、学生の皆様がディスカッションテーマに向き合ううえで参考になるインプットを頂戴いたしました。