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【社会人・学生対象】 BUSINESS IDEA CAMPUS アントレプレナーシップ教育 ビジネスアイデアを考えよう レポート【社会人・学生対象】 BUSINESS IDEA CAMPUS アントレプレナーシップ教育 ビジネスアイデアを考えよう レポート

1. イベントの概要

スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアムは、2023年2月17日(金)に「海外スタートアップと日本企業の連携の在り方」をテーマとしたイベントをSHIBUYA QWSにて開催にて開催しました。当日は早稲田大学教授の島岡未来子氏、東急株式会社の後藤美優氏、ソニーベンチャーズ株式会社の鈴木大祐氏の3名の方々にご登壇いただき、イベントの前半では3名によるトークセッションを実施し、後半のディスカッションのエッセンスとなるアントレ教育の理解の仕方や社会課題およびビジネス課題をご提示いただきました。後半の「各社の課題に対するビジネスアイデア創出に向けたディスカッション」では前半のトークセッションで出た課題をもとに、学生中心でのワークショップを行い、発表及び意見交換が行われました。

【社会人・学生対象】 BUSINESS IDEA CAMPUS アントレプレナーシップ教育 ビジネスアイデアを考えよう グループディスカッション

2. イベント実施概要 登壇者の発言内容(島岡先生、東急後藤さん、SONY鈴木さん)

(1) 島岡氏、服部氏ご講演「アントレ教育の重要性、ビジネスアイデアの創出の考え方、アントレ教育に関する活動をしている学生団体の紹介」

起業家教育については、世界銀行のレポート「企業家精神教育訓練(EET)」を参考に、プログラムを検討する際に活用しているフレームワークの4つの構成要素(プログラムの特徴、成果(アウトプット)、参加者、コンテクスト)の詳細について解説をいただきました。

また、アントレプレナーシップ教育のメソッドの紹介において、最近はエフェクチュエーション(手段主導型)モデルが注目されているとのことで、エフェクチュエーションの5つの原則についても触れながら、教育ステップや目的に合わせて必要なメソドロジーを習得することが有効との助言をいただきました。

 島岡氏、服部氏ご講演「アントレ教育の重要性、ビジネスアイデアの創出の考え方、アントレ教育に関する活動をしている学生団体の紹介」トークセッション

また、アントレ教育に関する活動をしている学生団体Beyond 2020 NEXT PROJECTの代表 服部 真也斗氏(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科)にもご登壇いただき、活動内容についてお話しいただきました。

(2) 後藤氏ご講演「アフターコロナのいま取り組むべき、東急の「渋谷再開発」での差別化戦略とは?」

同社では現在、渋谷駅を中心とした半径2.5km圏内の再開発にも注力しており、将来的にはビルが立ち並び成長し、人々が訪れやすい豊かな街を目指して開発を進めている。この開発のきっかけは鉄道施設の改良で、2000年頃の東京メトロの副都心線と東横線の相互運転により地上駅の地下化が決定したことであるとのこと。地上駅が不要になることにより、渋谷駅の南側に大規模な未利用地が発生してしまう状況や、国や都からの特区指定、都市再生緊急整備地域に渋谷区周辺が指定されたことも再開発推進の後押しとなった背景があるとのこと。

渋谷の街といえば人混みや坂の多い土地柄など、土地自体が抱えている課題が多いエリアでもあるため、現在もそれらを克服すべく再開発プロジェクトに取り組んでいる。同時に、交通インフラで東西南北が分断されている基盤の再整備もミッションとして認識されているとのこと。ただし、それらの課題克服だけではなく近年は、街に商業やオフィス、住宅などの機能を取り入れた複合施設の開発を継続的に続けているとのことも伺いました。

後藤氏ご講演「アフターコロナのいま取り組むべき、東急の「渋谷再開発」での差別化戦略とは?」トークセッション

(3) 鈴木氏ご講演「企業における新規事業開発のジレンマと二兎を追う戦略の重要性について」

鈴木氏自身、理系バックグラウンドからバイオの経験を経て、ゴールドマンサックスで金融に関与しその後もグローバルでの企業再生に携わるなど、長年のマーケット経験からの学びやメンタリティをご紹介頂いたうえで、学生の皆様に対し、日本の失われた30年をどう取り戻すかなど問題提起頂いた。GS時代に常に意識されたという「Think ahead」、先を読みながら、変化に対応することの重要性を語って頂くなど、学生の皆様がディスカッションテーマに向き合ううえで参考になるインプットを頂戴いたしました。

(3) 鈴木氏ご講演「企業における新規事業開発のジレンマと二兎を追う戦略の重要性について」トークセッション

学生らの発表内容(2~3チームピックアップ)

本イベントの最終アジェンダであるワークショップでは、登壇各社の課題に対するビジネスアイデアを討議発表していただきました。

一つめの質問である「テレワークと共存しながらも、オフィスに出社してもらうにはどんな「付加価値」が必要でしょうか?」という東急後藤氏による問いに対しては、渋谷ならではの幅広い世代での交流を狙った、サブスクリプション形式のカフェテリアなど実現可能性の高いアイデアや、「渋谷ディズニーランド構想」とインパクトのあるネーミングで、アイデア性の高いワークスペースや複数人でのランチ客には割引を適用するなどの工夫を加え、人と交流することの楽しさを広げ、グローバルな交流も促進する仕組みを提案するなど、参加者からは自由な意見が交流されていました。

学生らの発表

その他、鈴木氏からの質問である「今衰退しつつある産業/企業にはどんな事例があるか?他の何かと組み合わせることで新しい価値創造ができないか?」という問いに対しては、現代の働き方に着目し「目指せ現代百姓」と題して、終身雇用が過去のものとなりつつある現代のマーケットで生き抜くためには、AI等活用し効率化を高めながらも、自身の豊かな時間を確保しバランスよく労働する必要性を指摘した意見も挙げられました。肩の力を抜いて、サステナブルに働き続ける気概が感じられる提案として印象的でした。

また、日本人の起業率の低さや企業内でのイノベーション創出意欲の希薄さが産業衰退の原因の一つと認識し、幼少期の自由性の低い教育環境や学生時代に社会を知る経験やアントレ教育の不足を指摘しながら、その部分の根本改善をインターンシップという文脈から提案する意見などもありました。

参加者の皆様の提案は、どれもブラッシュアップしていくことでイノベーションに繋がるアイデアの種であり、今回のイベントではこうした機会を持つことの意義を大変感じられるものとなりました。

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