トップページ世界に向けた東京圏のスタートアップ・エコシステムのPRの在り方 イベントレポート
世界に向けた東京圏のスタートアップ・エコシステムのPRの在り方 レポート世界に向けた東京圏のスタートアップ・エコシステムのPRの在り方 レポート

1. 概要

東京コンソーシアムは、2023年1月30日(月)に「世界に向けた東京圏のスタートアップ・エコシステムのPRの在り方」というイベントを渋谷ソラスタコンファレンスにて現地開催しました。当日はPlug and Play Japan株式会社の藤本あゆみ氏にご登壇いただき、東京圏をはじめとする日本のスタートアップ・エコシステムが抱える課題と、その解決に向けた日本のスタートアップ・エコシステムのPR方法について、世界のスタートアップ・エコシステムのPR事例を踏まえながらご説明いただきました。その後、参加者が少人数のグループに分かれて、東京圏のスタートアップ・エコシステムのPRの在り方についてワークショップを行いました。

ディベート

2. イベント実施概要

(1) Input Session:世界のスタートアップ・エコシステムPR事例

初めに、藤本氏より世界のスタートアップ・エコシステムPR事例についてご紹介いただきました。

日本のスタートアップ・エコシステムが抱える課題として、「スタートアップで働く人数の少なさや流動性の低さ」、「エグジットの手段の少なさ」等がありますが、中でも特に「エコシステムの点在化」が大きな課題となっています。日本には全国各地にエコシステムが多数存在するものの、エコシステム同士の横連携があまりとられていないため、個々のエコシステムからそれぞれ情報を入手しなければならない等、情報アクセスが困難であるといった問題が引き起こされています。その結果として、日本への進出に関心を寄せる海外のスタートアップ企業が、日本のスタートアップ環境に関する情報を十分に入手できないゆえに進出を諦めてしまうケースがみられます。

東京圏をはじめとした日本のスタートアップ・エコシステムが世界に向けた情報発信を更に強化していくためには、点在化している情報を集約し、定期的に発信することが必要です。具体的には、世界に向けて情報発信できる機会があればそれを最大限活用すること、伝えたい情報を絞り、定期的かつ高頻度に情報を発信すること、そして情報発信の際には適切なプラットフォームを活用することが大切です。また、Startup Blink Online Summit*1やEcosystem Player Meetup*2といった海外のスタートアップ・エコシステム都市やスタートアップ企業が集結する会議に参加し、自らのスタートアップ・エコシステムを発信するとともに他の都市の取組を知り、アンテナを広げることも有用です。

SNSを使ってスタートアップ・エコシステムをPRする際には、どの種類のSNSを使えばターゲット層に情報を適切に届けられるか、活用するSNSを取捨選択することが必要です。海外のスタートアップ・エコシステムのPR方法を見てみると、LinkedInやTwitter、Facebook等を活用していることが多く、またSNSの種類によって情報発信の対象ターゲットや用いる言語、発信内容を変える等の工夫が見受けられます。

スタートアップ起業家は、政府や行政、専門家、ベンチャーキャピタルやアクセラレーター、大手企業、アカデミア等多くの関係者と連携するとともに、PRの強化を通して最終的にどのようなスタートアップ・エコシステムの状態を目指していくのか、KPIを定めることも大切です。

*1:エコシステム開発における世界有数の専門家やリーダーが集結し、起業精神が繫栄する環境構築に関する知識の共有や議論を行うサミット。四半期ごとに行われている。
*2:Startup Genomeが開催するグローバルイベント。2022年度はポルトガルで開催され、約60の都市が参加した。イベントでは、各都市がそれぞれスタートアップ・エコシステムの取組や他都市とのコラボレーションの可能性について議論が行われた。

(2) ワークショップ:東京のスタートアップ・エコシステムを世界により知ってもらうために

世界に向けた東京のスタートアップ・エコシステムのPRを強化していくためには、適切にPRができている理想の状態を具体的に描くことが大切です。そこでワークショップでは、「日本のスタートアップ・エコシステムの目指す状態」と「東京のスタートアップ・エコシステムを世界に周知するために明日から始める行動宣言」の2つをテーマに、参加者が少人数のチームに分かれてディスカッションを行いました。

テーマ①:日本のスタートアップ・エコシステムの目指す状態について

まず、日本のスタートアップ・エコシステムのPRができている状態はどのような状態なのか、日本のスタートアップ・エコシステムの理想形についてディスカッションを行いました。参加者からは、日本のスタートアップ・エコシステムが目指すべき状態として、海外でIPOする日本のスタートアップ企業が増える等アウトバウンドが拡大している状態や、日本の起業環境を整っており海外のスタートアップ企業の日本進出が拡大している状態が意見として挙がりました。また、言語の壁を乗り越えて、日本語だけでなく英語等多言語で日本のスタートアップ・エコシステムの魅力を発信することや、積極的に国内外のあらゆる情報にアクセスすることが大切だという意見もありました。

テーマ②:東京のスタートアップ・エコシステムを世界に周知するために明日から始める行動宣言

最後に、参加者の方々の何名かに、日本のスタートアップ・エコシステムを世界に広げるためにまず何から着手していくかについて行動宣言をしていただきました。主な宣言内容として、自身のスタートアップ企業のSNSを開設し英語で情報発信を始めることや、海外の取組を導入する等グローバル視点を取り入れながら日本のスタートアップ企業を支援していくこと、海外のスタートアップ企業に日本のスタートアップ市場の魅力を伝えていくことが挙がりました。

ディベート

3. イベント情報

  • 開催日時
    1月30日(月)17:00~18:00
  • 登壇者
    Plug and Play Japan株式会社 執行役員 CMO
    一般社団法人スタートアップエコシステム協会 代表理事 藤本あゆみ氏

東京コンソーシアムへの入会のご案内

東京コンソーシアムのご入会につきましては、「tokyo_consortium@tohmatsu.co.jp」までご連絡ください。

  • 本件に関する問い合わせ先

    東京コンソーシアム運営事務局 tokyo_consortium@tohmatsu.co.jp
    運営受託者:有限責任監査法人トーマツ
    受付/回答時間:10:00~17:00(土日祝日除く)