2. イベント実施概要
[第一部:各広域連携自治体によるガバメントピッチ]
東京コンソーシアムでは、広域連携自治体と連携しスタートアップを支援する施策を実施しています。第一部では、広域連携自治体の中から7つの自治体(渋谷区、つくば市、茨城県、千葉市、川崎市、横浜市、東京都、※登壇順)が登壇し、各自治体におけるスタートアップ支援の取り組みを紹介しました。
渋谷区
渋谷区にはスタートアップ企業やベンチャーキャピタル、アクセラレーションといった組織やシェアオフィス等の設備が多数存在し、日本最大のエコシステムが形成されています。今後国際競争力のあるスタートアップを創出していくために、渋谷区独自のコンソーシアムを形成する等の「環境整備」や、”Startup Welcome Service”と称した海外起業家の誘致を促進するサービスの提供等の「国際化」、渋谷区民が実証実験に参加する「実証実験事業」を進めています。
つくば市
つくば市には研究機関や研究者、研究機関発のベンチャー企業が多数集結しているため、今後更にスタートアップ支援を拡大する必要があります。
現在の具体的な取り組みとして、スタートアップ創業前後を支援する「「つくばスタートアップパーク」の運営や、大学や研究機関、自治体、民間支援組織を繋ぐエコシステムの形成、海外機関との連携、スタートアップとの協業を進めています。
茨城県
茨城県にはつくば市を中心として国立研究機関発や大学発のディープテック企業が多数存在しています。県では「ベンチャー企業が投資家や支援機関と接続する機会を増やすこと」と「県外の投資家や支援機関のネットワークを拡大し、県内のベンチャーへ還流すること」の2つを課題として、ベンチャー企業の創出や育成、拠点づくりに力を入れて取り組んでいます。
千葉市
千葉市では自治体や民間組織、大学・研究機関等とスタートアップを繋ぐ千葉市独自のスタートアップ・エコシステムを形成しており、更なる組織の拡大を目指して取り組んでいます。また、具体的な支援施策として、スタートアップ育成を目的とした「千葉市アクセラレーションプログラム」や、市の中小企業の製品やサービスの認知・拡大を促進する「トライアル発注認定事業」を提供しています。
川崎市
川崎市では民間や大学・研究機関等と連携したスタートアップ支援拠点が点在しています。例えば、「殿町国際戦略拠点キングスカイフロント」では、ライフサイエンス関連を中心とした70機関が進出しており、羽田地区との連携やインキュベーション機能の強化が進んでいます。他にも、専門家の支援やマッチングサポートを提供する「新川崎・創造のもり」や政府機関と連携した公的な起業家支援拠点である「Kawasaki-NEDO Innovation Center」等といったスタートアップ支援拠点があります。
横浜市
横浜市ではみなとみらい21地区と関内地区を中心に、多様なイノベーション人材の交流地区が形成されています。具体的な取り組みとして、スタートアップ成長支援拠点の「YOKO BOX」の設置や、スタートアップの成長ステージに応じた支援プログラムの提供を行っています。2022年~2025年の中期計画では「スタートアップの創出・イノベーションの推進」を重点政策に設定しており、今後さらなるスタートアップ支援の拡大が見込まれます。
東京都
2022年11月にスタートアップ戦略”Global Innovation with STARTUPS”を発表し、現状や今後の戦略について提示しています。
具体的には、国内外からスタートアップに係る団体が集結する拠点”Tokyo Innovation Base”の構築や、海外ベンチャーキャピタルやアクセラレーターの誘致、学生へのアントレプレナーシップ教育、公共調達の拡大等、世界を視野に入れたスタートアップ戦略を展開しています。