2. イベント実施概要
東京コンソーシアムにおける「Smart City Tokyo Startup Pitch」の位置付け
東京コンソーシアムの目標は「東京がスタートアップ・エコシステムのグローバル拠点都市としての地位を確立する」ことです。東京には、国内トップ大学の3割、Fortune Global500企業(世界2位)が集積しており、スタートアップを育む資源が豊富にあり高いポテンシャルをもっています。
東京コンソーシアムでは、これらの資源をより効果的に連携するため、①「点」x「深さ」のディープ・エコシステムと②「面」のエコシステムの構築を整備・推進しています。①は各分野に精通した先進的プレイヤー同士(スタートアップ、大学や大企業等)をつなぐことでイノベーションを創出します。
東京コンソーシアムでは海外展開を視野にいれユニコーン級へ成長すると期待されるスタートアップ5社を「ディープ・エコシステム」支援対象企業として採択・支援しています。「Smart City Tokyo Startup Pitch」では、グローバルエコシステムのキーメンバーの一翼を担うスタートアップによる課題認識や具体的なソリューションを御提案頂きました。また②「面」のエコシステムとしては大企業やスタートアップを含めた東京コンソーシアム会員(414社、2022年9月末時点)同志の交流や国や東京圏の都市、大学等との相互連携を支援し広域なプラットフォームを整備しています。
「スマートシティ」とは何か?
日本政府の推進するスマートシティとは「AIやIoTの様な新技術やデータ連携等により、都市が抱える課題解決や新価値創出を経済的にも持続的に行おう」とするものです。これらの推進によってSociety5.0を実現し、ひいては個々人や世界の人々のWell-Being(幸せに生きる)を実現するものです。Society5.0は、日本政府が提唱するコンセプトで「現実空間と仮想空間が一体となり、様々な社会問題の解決と経済発展を実現する社会」のことです。実際には 現実空間の情報がセンサーやIoT機器を通じて仮想空間に集積され、ビッグデータはAI等で解析され現実空間に還元していく仕組みです。
東京都が推進する「スマート東京」は、デジタルの力でサービスの質や都民のQOLを上げようとするものです。代表的な取り組みとして「つながる東京」、「街のDX」、「行政のDX」があります。これは東京都全体をインターネットで包み込む「デジタルの道」で公共施設や都民サービスのデジタル化の推進、防災・ヘルスケア・教育・自動運転の社会実装等の先端事業の取り組み等を行おうとするものです。
スマートシティの機能は7つの観点に整理できます。具体的には①教育・研究②事業創造③交通・モビリティー④健康・医療⑤安心・安全⑥機構変動⑦資源循環・生物多様性です。
これらの機能は、切り口は異なるもののEUと日本で通じるものがあります。登壇された5社は各社、物流(③)、観光(②)、防災・防犯(⑤)、脱炭素・省エネルギー(⑥)、住宅・建築(⑥)に関係する事業を手掛け、夫々の独自視点とテクノロジーで社会課題を解決され様としています。